日本テレビ「DayDay.」・フジテレビ「Live News イット!」出演、日本テレビ「news every.」コメント出演
「前髪のセットが決まらない」「おでこが広くなった気がする」「生え際が透けてきた」。女性の生え際後退の相談は、こういう言葉で始まることが多いです。
結論から言うと、女性の生え際後退は、男性のM字はげとは別のものです。進み方が違い、治りやすさも違います。この記事では、その違いと原因、自分でできる見分け方、そして治療でどこまで戻るのかを、実際に診察している立場から説明します。

女性の生え際後退は、男性のM字とどう違うか
男性のAGAは、生え際の両端が切れ込むように後退していきます。いわゆるM字です。女性の場合、この形にはなりにくい。おでこが広くなったと感じても、M字に切れ込むことは少ない。生え際全体の密度が落ちて、額が広く「見える」という進み方がほとんどです。治療すれば、3ヶ月で生えてきていることが分かり、6ヶ月でかなり改善します。丸さまで戻ることが多いのが診療での実感です。

男性の生え際は四角く、女性は丸い傾向があります。そこが後退して四角くなると、女性らしさが損なわれる。女性の生え際の相談は、見た目のこの変化が出発点になることが多いです。
「後退した」というより「透けてきた」「丸みがなくなってきた」。そう感じているなら、それが女性の生え際後退の典型的な自覚です。
当院では、院長が毎回、直接診察します。頭皮を拡大して見ないと分からないことが多いためです。初診料・再診料・カウンセリング・血液検査(※医師が医学的に必要と認めた場合)は0円です。
予約の前に聞いておきたいことがあれば、LINEでご相談いただけます(相談だけでも構いません)
原因は大きく3つ
女性の生え際が薄くなる原因は、整理すると3つです。
1. FAGA(女性男性型脱毛症)
いちばん多いのがこれです。男性ホルモンのはたらきで髪の成長期が短くなり、生え際や分け目の毛が細く短くなり、薄毛として目立ってきます。男性のAGAと同じ仕組みですが、女性はホルモンの影響が弱いぶん、進み方がゆるやかで、生え際の後退は「切れ込む」のではなく「薄くなる」形で進みます。
2. 産後・更年期のホルモンの変化
出産後は、妊娠中に保たれていた髪が一斉に休止期に入るため、生え際や前髪から抜けることがあります。多くは産後半年から1年で落ち着きます。更年期は女性ホルモンの減少で、男性ホルモンの影響が相対的に強くなり、FAGAが表に出てきやすい時期です。
3. 牽引性脱毛症(髪型による負担)
ポニーテールやお団子など、生え際を強く引っ張る髪型を長く続けると、引っ張られている部分の毛が抜けることがあります。ただ、「生え際が後退した」という相談でこれが原因だった方は、実際にはほとんどいません。上の診療実感のとおり、大半はFAGAです。
「生まれつきおでこが広い」と思っている方へ
「若いころからおでこが広かった」「昔から前髪が薄い」という方がいます。生まれつきだから仕方ない、と諦めていることが多いのですが、診察で見ると違う景色が見えます。

もともと若いときから生え際が広い、薄いというタイプの方もいます。そういう方はFAGAの素因があって、昔からそうだったのではないかと思っています。毛髪の状態を見ると、FAGAと同じだからです。
そして治療をすると、もともとこうだったところより良くなることが多い。若いころから悩んでいた方は、治療で「人生で今がいちばん髪がある状態です」と喜んでいる方が多いです。
おでこの丸みが出るのは女性的な見た目の要素なので、見た目としては、単に薄毛が改善する以上に嬉しいのではないかと思います。
「生まれつき」と「昔からFAGAだった」は、見た目では区別がつきません。おでこの広さではなく、頭皮を拡大して毛の太さを見れば分かります。諦める前に、一度見せてください。
自分でできる見分け方

鏡で確認できる生え際後退のサインは3つです。おでこが広くなった、こめかみが薄くなった、前髪のボリュームが減った。前髪をかき上げて、生え際の丸みが残っているかを見てください。

もうひとつ、自分では分かりにくいけれど診察ではっきりするのが、毛の太さのばらつきです。FAGAでは、同じ場所に太い毛と細い毛が混ざります。産後の一時的な抜け毛や牽引性脱毛症では、太さはそろったままです。当院では初回にマイクロスコープで生え際を撮り、このばらつきを評価しています。
| 見るところ | 産後の抜け毛・髪型の負担 | FAGA(女性型脱毛症) |
|---|---|---|
| 進み方 | ある時期にまとめて抜ける | じわじわ透けてくる |
| 毛の太さ | そろっている | 太い毛と細い毛が混ざる(不均一) |
| 生え際の形 | 丸みは残る | 丸みがなくなり、広く見える |
| 時間がたつと | 半年〜1年で戻る/引っ張るのをやめれば戻る | 戻らない。放置すると細くなる |
| 対処 | 待つ・引っ張らない | 治療で戻る(丸さまで戻ることが多い) |

目安として、産後なら1年たっても戻らない、髪型を変えても変わらない、分け目も広がってきた——このどれかに当てはまるなら、FAGAによる生え際後退を考えて、見せてもらったほうがいい状態です。
戻るのか、どこまで戻るのか
毛包(毛の根元の組織)が残っている段階なら、戻ります。女性の生え際は、男性のM字より戻りやすいというのが診療での実感です。では、後退した生え際はどこまで戻るのか。

丸さまで戻ることが多いです。
薄毛が改善して密度が戻るだけでなく、おでこの形——女性らしい丸み——まで戻ることが多い、ということです。ただし、これは毛包が残っているうちの話です。長く放置して毛包が失われた部分は、薬では戻りません。「気づいた時点で見せる」が、戻る範囲をいちばん広くします。
必要のない治療は、おすすめしません
プランはいつでも変更・中止できます。その場での契約を迫ることも、無理な勧誘も一切ありません。カウンセリングだけ受けて帰られる方も普通にいらっしゃいます。
完全予約制・完全個室です。待合室ではなく、ご来院後は直接個室へご案内します。お帰りの際も、なるべく他の患者様と重ならないよう時間差でご案内しています。
治療の中身
女性の生え際後退(FAGA)の治療で、根拠がはっきりしているのはミノキシジルの外用です。日本皮膚科学会のガイドラインで、女性型脱毛症に対して推奨度A(行うよう強く勧める)とされています出典:参考文献1。1,242名の女性を対象にした8件の試験をまとめた解析では、24〜32週の使用で、薄くなった部分の1cm²あたりの毛髪数が平均13.18本増えました出典:参考文献1(日本皮膚科学会ガイドライン2017・CQ3)。当院で扱っているのは2%のミノキシジル外用です。
内服はスピロノラクトンが中心です。男性ホルモンのはたらきを抑える薬で、男性のフィナステリドにあたる位置にあります。なお、フィナステリドやデュタステリドは女性型脱毛症には推奨度D(行うべきではない)で、当院でも女性には使いません出典:参考文献1。
治療の1年目は、土台をつくる一年です。生え際の改善が見えてくるまでには数ヶ月かかります。そのあいだに毛が入れ替わり、おでこの丸みが戻ってきます。
費用は、当院では予防プランが月2,750円〜、初診料・再診料・カウンセリングは0円です(料金の一覧)。どの強さの治療が要るかは、診察で生え際の毛の状態を見てから決めます。
自分でできることは、ひとつ

生え際について、自分でできて意味があることは「生え際を引っ張らない」の一点です。毎日きつく結んでいる方は、結ぶ位置を下げる、ゆるめる、下ろす日をつくる。それだけで牽引性の負担は減らせます。
育毛剤、頭皮マッサージ、サプリ、シャンプーで後退した生え際が戻ることはありません。FAGAの原因はホルモンであって、頭皮の汚れや血流ではないからです。試している数ヶ月のあいだにも進みますので、それを「対策」と考えないでください。
生え際が目立たない髪型
治療と並行して、見た目を整えるのは自由です。おでこを出さずに前髪を下ろす、分け目を変える、トップにボリュームを出すカットにする。美容師さんに「生え際を気にしている」と伝えれば、合わせてくれます。ただし、結んで隠すのは逆効果です。生え際に負担がかかります。
受診の目安
次のどれかに当てはまるなら、「様子を見る」段階は終わっています。一度見せてください。
| 以前より生え際が広い・丸みがなくなってきた | FAGAで生え際の密度が落ちているサイン。基準はありませんが「以前より」なら可能性は高いです |
| 生え際の毛の太さ・長さがばらついている | 太い毛と細い毛が混ざる=FAGAが動いている所見です |
| 産後1年たっても戻らない | 産後の抜け毛なら戻っている時期。戻らないならFAGAの素因が表に出ています |
きつく結ぶ髪型をやめて数ヶ月で戻ったなら、それは牽引性で、治療は要りません。
よくある質問
Q. 20代でも生え際は後退しますか
あります。20代でも、FAGAの素因がある方は生え際が後退したり、分け目が薄くなったりします。「若いから違う」とは考えないでください。若い方ほど毛包が残っているので、戻りやすい時期でもあります。
Q. 前髪が割れる、ぱっくり分かれるのは生え際後退ですか
前髪の密度が落ちると、割れやすくなります。生え際の後退のサインのひとつです。ただ、つむじの位置や髪質で割れる方もいるので、それだけでは判断できません。こめかみの薄さや分け目の広がりがあわせて出ているかを見てください。
Q. 男性のM字はげと同じ治療ですか
違います。男性のAGAで中心になるフィナステリド・デュタステリドは、女性には使いません。女性はミノキシジル外用とスピロノラクトンが中心です。薬が違うだけでなく、女性の生え際のほうが戻りやすいという違いもあります。
まとめ
女性の生え際後退は、男性のM字とは進み方が違います。M字に切れ込むのではなく、密度が落ちておでこの丸みがなくなる。原因の大半はFAGAで、産後・更年期のホルモン変化がきっかけになることもあります。髪型が原因のことは、ほとんどありません。
「生まれつき広い」と思っている方も、毛髪の状態はFAGAと同じで、治療で元より良くなることが多い。毛包が残っていれば、密度だけでなく丸さまで戻ることが多いというのが診療での実感です。
自分でできることは、生え際を引っ張らないこと、それだけです。生え際の後退に気づいた時点で見せていただくのが、戻る範囲をいちばん広くします。
参考文献
- 日本皮膚科学会:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版.日本皮膚科学会雑誌 2017;127(13):2763-2777.PDF
本文中の数値は上記の資料にもとづいています。リンク先は当院が管理するものではありません。
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