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監修医師 清水崇裕
この記事の監修: 清水 崇裕(医師・医学博士・放射線科専門医/ベアAGAクリニック院長)
日本テレビ「DayDay.」「news every.」、フジテレビ「Live News イット!」ほか出演・取材協力

「4月に入ってから、抜け毛が増えた気がします」
「環境が変わってばたばたしていただけだと思っていたけれど、そろそろ心配になってきました」

結論
春は、秋に次いで抜け毛が増えたと感じる方の多い季節です。理由は生活が変わることによる負担、睡眠と食事の乱れ、そして冬の乾燥の持ち越しです。多くは一時的なもので、生活が落ち着けば戻っていきます。ただ、春にはもうひとつ意味があります。いま治療を始めれば、変化が見えてくるのがちょうど秋だということです。1年でいちばん抜け毛が不安になる季節を、手を打った状態で迎えられます。

女性の春の抜け毛について、新宿で女性の薄毛治療を行う医師がご説明します。

春に抜け毛が増える3つの理由

ひとつめが生活が変わることによる負担です。ご自身が望んだ変化であっても、慣れない環境に置かれれば体は緊張します。その状態が続くと、自律神経やホルモンのバランスが乱れ、頭皮の血のめぐりにも影響します。

ふたつめが睡眠と食事の乱れです。生活のリズムが変われば、寝る時間も食べるものも変わります。髪をつくる材料と、体が回復する時間の両方が削られます。

みっつめが冬の持ち越しです。冬のあいだに乾燥して荒れた頭皮の影響は、その場では抜け毛として出ません。髪の生え変わりの周期を一巡してから、2〜3ヶ月遅れて春に表れてきます。「冬は平気だったのに春になって増えた」という感覚には、この時間差があります。冬の頭皮については冬に抜け毛が増える女性への解説記事を、四季それぞれの傾向は季節の変わり目と抜け毛の記事をご覧ください。

女性の春は、ご自身のこと以外でも生活が変わります

ここは、診察でよく伺うお話です。

春に生活が変わるのは、ご自身の異動や転職だけではありません。お子さんの入園や入学、進級。ご家族の転勤。育休からの職場復帰。ご自身のことではなくても、生活そのものは大きく変わります。しかもこうした変化は、たいてい「自分のことは後回し」になる方向に働きます。

朝の時間が削られ、食事は残り物で済ませ、夜は疲れて髪を乾かさずに眠ってしまう。抜け毛が気になっていても、落ち着いたら考えようと先送りにされる。そうしているうちに夏が来て、秋を迎えてしまったという方は、本当に多くいらっしゃいます。

とくに職場復帰の時期は、産後の抜け毛が続いている時期と重なることがあります。産後の抜け毛は多くの場合、半年から1年ほどで落ち着いていきますが、1年を過ぎても戻らないときは、もともとFAGAの体質があり、それが出産をきっかけに表に出た可能性を考えます。時期の目安は産後の抜け毛はいつからいつまで続くのかの記事にまとめています。

花粉の時期に、頭皮がかゆくなる方へ

花粉症の方から、この時期に頭皮のかゆみのご相談をいただくことがあります。誤解の多いところですので、正確にお話しします。

花粉症はアレルギーの反応であって、髪が抜ける病気ではありません。花粉そのものが毛根を攻撃するわけでもありません。ただ、頭皮に付着した花粉でかゆみが出て、掻いてしまうことで頭皮が荒れ、その結果として抜け毛が増えることはあります。問題は花粉ではなく、掻くことのほうだとお考えください。

帰宅したら髪と頭皮の花粉を洗い流すこと、外出時に帽子をかぶること。この2つで、掻く回数はかなり減らせます。かゆみが強いときは我慢せず、耳鼻科や皮膚科でご相談ください。

なお、境目のはっきりした丸い脱毛が急にできた場合は、季節の抜け毛とは別のものです。円形脱毛症は自己免疫の関わりが考えられている脱毛症で、アトピー素因のある方に多いとされています。心当たりがあれば早めに受診してください。

この春、していただきたいこと

春の抜け毛は、生活が落ち着けば戻っていくことがほとんどです。ですから、まず整えていただきたいのは睡眠です。環境が変わった時期はどうしても削られるところですが、髪が育つのは体が休んでいるあいだです。ここだけは守っていただきたいと思います。

食事は、髪の材料になるタンパク質と、鉄、亜鉛を切らさないこと。とくに鉄は月経のある女性で不足しやすい栄養素です。忙しい時期ほど簡単なもので済ませがちですので、卵、豆腐、しらす、納豆など、手をかけずに足せるものを一品加えるだけでも変わります。強い疲れやすさや立ちくらみを感じるようであれば、髪のことだけでなく、婦人科や内科でご相談いただいたほうがよい場合もあります。

洗い方は、夜に一度、指の腹で頭皮そのものをていねいに洗い、泡が残らないところまで流します。洗ったあとは必ず根元まで乾かしてから休んでください。疲れている日ほど省略しがちなところですが、濡れた頭皮のまま眠るのは頭皮にとっていちばん負担の大きい過ごし方です。

春は紫外線が急に強くなる季節でもあります。顔には日焼け止めを塗っていても、分け目の頭皮には何もしていないという方は多いはずです。分け目は髪に守られていない、いちばん日差しの当たる場所です。分け目の位置を時々変えるだけでも、同じ場所に直撃し続けるのを避けられます。

春は、治療を始めるのに向いている季節です

知っておいていただくと得だと思いますので、お伝えしておきます。

薄毛の治療は、効果を感じられるまでにおおむね4〜6ヶ月かかります。つまり春に始めれば、変化がわかってくるのがちょうど秋です。秋は1年でもっとも抜け毛が増える季節ですから、何もしていない状態で秋を迎えると、毎年同じ不安を繰り返すことになります。秋については秋の抜け毛が増える理由といつまで続くのかの記事をご覧ください。

もちろん、急いで始めていただく必要はありません。ただ、いまの状態を知っておくことだけは、早いほうが選択肢が多く残ります。「落ち着いたら」と思っているうちに1年が過ぎてしまうことが、いちばんもったいないと考えています。

「季節のせい」だけで、困るほど抜ける方はほとんどいません

正直にお伝えします。抜け毛が増えたとご相談に来られた方に、「季節のせいですから様子を見ましょう」とお伝えすることは、ほとんどありません。

理由は2つあります。ひとつは、純粋に季節だけで、ご本人が困るほど抜けることは実際にはまれだからです。わざわざクリニックを探して来られるほど抜けているのなら、それは季節の範囲を超えていることが多いのです。

もうひとつは、そこまで抜けている場合、背景にFAGAがあることがほとんどだからです。季節はきっかけを与えているだけで、実際に進行させているのは別の要因、というのが診察での実感です。

ですから私が見ているのは、抜け毛の本数ではありません。女性の薄毛に特有の場所——分け目と頭頂部——が進んでいるかどうかです。ここが進んでいれば、季節に関係なく治療を考える段階だとお伝えします。

これはやむを得ないことなのですが、多くの方は、ご自身の知識の範囲で薄毛を「季節のせい」「ストレスのせい」に当てはめてしまいます。そう考えたほうが安心できるからです。ただ、そう思っている間もFAGAは進みます。「毎年この時期に増えるだけ」と何年も思っていた方が、実は少しずつ進んでいた——これは本当によくあることです。

ただし産後だけは別です。産後の抜け毛は多くの方が半年から9ヶ月ごろには戻り始めますので、その時期であればお待ちいただくことがあります。1年を過ぎても戻らないときは、産後ではない理由を考えます。

季節のせいか、FAGAか。見きわめるときに見ているところ

見ているところ 季節性の抜け毛 FAGAが疑われるとき
抜け方 頭全体からまんべんなく抜ける 分け目や頭頂部が透けて見えるようになる
抜けた毛の質 太さも長さも普通の毛が中心 細く短い毛が増える
生活が落ち着いたあと 6月ごろには戻ってくる 環境が落ち着いても変わらない
脱毛の形 境目のない、ゆるやかな変化 分け目を中心に、じわじわ広がっていく

ご自身で確かめるときは、いまの分け目を写真に残しておくのがおすすめです。同じ場所、同じ明るさで、1ヶ月後にもう一度撮って見比べてみてください。記憶だけで比べると、不安な気持ちのぶんだけ悪く見えてしまいます。髪全体が均等に薄くなっていく場合は、びまん性脱毛症という状態のこともありますので、びまん性脱毛症の記事もご覧ください。

こんなときは、一度ご相談ください

生活が落ち着いた6月を過ぎても抜け毛が減らないとき。分け目や頭頂部の地肌が、以前より目立つようになったとき。抜けた毛に細く短いものが増えてきたとき。境目のはっきりした丸い脱毛ができたとき。産後1年を過ぎても抜け毛が戻らないときです。

当院では、まずお話をゆっくり伺い、マイクロスコープで頭皮の状態を見せていただいたうえで、季節性なのか、FAGAなのか、それとも別の原因があるのかをご説明しています。検査や他科の受診が先だと判断した場合は、正直にそうお伝えします。カウンセリングは無料で、その日のうちにお決めいただく必要はありません。お話を聞いて帰られるだけでも構いません。治療を考え始めたときの流れはFAGA治療の始め方の記事にまとめています。

カウンセリングから診察まで完全個室・完全予約制で、待合室で他の患者様と顔を合わせることはありません。お子さん連れでのご来院も受け入れておりますので、預け先がなくて迷われている方は、ご予約のときにお申し付けください。

よくあるご質問

春に抜け毛が急に増えることもありますか?
あります。環境が大きく変わった直後や、強い負担がかかった時期の2〜3ヶ月後に、まとまって抜けることがあります。多くは一時的なもので、生活が落ち着けば戻っていきます。ただ、境目のはっきりした丸い脱毛ができた場合は別の脱毛症のことがありますので、早めに受診してください。

花粉症の薬で抜け毛が増えることはありますか?
一般的に使われる抗ヒスタミン薬で抜け毛が増えることは、まずありません。花粉の時期に抜け毛が増える場合は、薬よりも、頭皮のかゆみで掻いてしまうことのほうが影響していることが多いです。

職場復帰の時期と重なっています。産後の抜け毛でしょうか?
産後1年以内であれば、産後の抜け毛が続いている可能性が高いと考えられます。多くは半年から1年で落ち着いていきます。1年を過ぎても戻らないときは、もともとの体質が表に出てきている可能性がありますので、一度ご相談ください。

春以外で抜け毛が多い季節はいつですか?
1年でもっとも増えるのは秋です。夏に受けたダメージが数ヶ月遅れて表れるためで、9月から11月にかけてピークを迎えます。春はそれに次いで増えたと感じる方が多い季節です。

妊娠中・授乳中でも治療はできますか?
薄毛の治療に使うお薬には、妊娠中・授乳中には使えないものがあります。産後の抜け毛は多くの場合、半年から1年で自然に落ち着いていきますので、授乳を終えられてからのご相談で間に合うことがほとんどです。それまでのあいだも、ご心配なことがあれば無料でご相談いただけますので、一人で抱え込まずにお声がけください。

まとめ

春の抜け毛は、生活が変わることによる負担、睡眠と食事の乱れ、そして冬の乾燥の持ち越しが重なって起こります。その多くは一時的なもので、生活が落ち着く6月ごろには戻っていきます。花粉症の方は、花粉そのものより、かゆみで掻いてしまうことのほうに気をつけてください。

女性の場合、春はご自身のこと以外でも生活が変わり、そのぶんご自身のことが後回しになりやすい季節です。睡眠と、髪を乾かしてから眠ること。この2つだけでも守っていただけたらと思います。

気をつけていただきたいのは、生活が落ち着いても戻らないとき、分け目の地肌が目立ってきたとき、細く短い毛が増えたときです。ひとつでも当てはまるようでしたら、確かめるためだけにお越しいただいて構いません。春に始めれば、変化が見えてくるのはちょうど秋です。

BEA AGA CLINIC 院長 清水崇裕
この記事の監修医師
清水 崇裕
BEA AGA CLINIC 院長/医師・医学博士・放射線科専門医
メディア出演日本テレビ「DayDay.」「news every.」、フジテレビ「Live News イット!」ほか出演・取材協力
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