日本テレビ「DayDay.」「news every.」、フジテレビ「Live News イット!」ほか出演・取材協力
「秋の抜け毛がおさまると思っていたのに、冬になっても減った気がしません」
「暖房のせいか、頭皮がかゆくてフケも出るようになりました」
女性の冬の抜け毛について、新宿で女性の薄毛治療を行う医師がご説明します。
冬に頭皮の環境が崩れる3つの理由
冬は、抜け毛の本数としては落ち着いてくる季節です。ただ、頭皮にとっては楽な季節ではありません。
ひとつめが乾燥です。外の空気が乾いているうえに、暖房を入れている時間が長くなります。顔や手の乾燥には気づいても、髪に覆われた頭皮が乾いていることは見落とされがちです。乾けばフケが出やすくなり、かゆみで掻いてしまえば頭皮はさらに荒れていきます。この繰り返しがいちばんよくありません。
ふたつめが冷えによる血のめぐりの低下です。髪をつくる材料は血液で運ばれますので、体が冷えて末端まで届きにくくなると、髪にも影響します。冷えを感じやすい方が多いぶん、女性のほうがこの影響を受けやすいとお考えください。
みっつめが生活のリズムです。日が短くなり、外に出る機会が減り、年末年始で食事も睡眠も乱れがちになります。冬は生活が崩れやすい季節でもあります。四季それぞれの傾向は季節の変わり目と抜け毛の記事にまとめています。
女性の冬は、冷えと髪のダメージが重なります
ここまでは男女に共通する話ですが、女性の場合はもう少し事情があります。
ひとつは冷えです。手足の冷えを感じている方は、頭皮も同じように冷えていると考えていただいてよいと思います。冷たい場所に長くいた日は、湯船に浸かって体の芯から温め直してください。シャワーだけでは、冷えた体はなかなか戻りません。
もうひとつが髪そのものへのダメージです。乾燥した髪は静電気が起きやすく、絡まりやすくなります。無理に櫛を通せば切れ毛が増え、それを「抜け毛が増えた」と感じられることがあります。抜けた毛の根元に白い部分があるかどうかを見てください。根元がなく途中で切れているようなら、それは抜け毛ではなく切れ毛です。
冬はマフラーやタートルネックで髪が擦れる機会も増えます。乾燥している時期ほど、髪は摩擦に弱くなっています。
冬は「見きわめ」の季節です
ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。
抜け毛が1年でもっとも増えるのは秋で、季節性のものであれば1〜2ヶ月でピークを越え、冬に向かって落ち着いていきます。つまり冬は、季節性の抜け毛なら減っているはずの時期です。詳しくは秋の抜け毛が増える理由といつまで続くのかの記事をご覧ください。
ですから、年が明けても抜け毛が減った実感がないのであれば、それは季節のせいではない可能性が高いということになります。「秋のせいだろう」と思って過ごしてきた方にとって、その考えが正しかったかどうかを確かめられるのが冬です。
毎年秋に不安になって、冬になんとなく忘れて、また次の秋に不安になる。この繰り返しで数年が過ぎてしまう方は、実際に少なくありません。分け目の広がりは少しずつ進みますので、数年分となると、ご自身でも「いつからこうなったのだろう」とわからなくなってしまいます。冬のうちに一度はっきりさせておくと、次の秋を落ち着いて迎えられます。
この冬、していただきたいこと
冬のケアは、乾燥させないことに尽きます。室内の湿度は50%前後を目安にしてください。加湿器がなければ、洗濯物を室内に干すだけでも変わります。
洗うのは夜の1回で十分です。お湯の温度が高すぎると必要な皮脂まで落ちてしまいますので、38〜40℃くらいにしてください。指の腹で、髪ではなく頭皮を洗うつもりで動かし、泡が残らないところまで流します。フケやかゆみが出ている方は、洗浄力の強いシャンプーをやめて、刺激の少ないものに変えたほうが落ち着くことがあります。
洗ったあとは必ずドライヤーで根元まで乾かしてください。髪が長い方ほど、根元が乾ききらないまま眠ってしまいがちです。濡れた頭皮のまま眠るのは、いちばん避けていただきたい習慣です。乾かす前に洗い流さないトリートメントを毛先につけておくと、乾燥による絡まりと切れ毛を減らせます。
食事は、髪の材料になるタンパク質と、鉄、亜鉛を切らさないこと。とくに鉄は月経のある女性で不足しやすい栄養素です。冬は鍋物が多くなる時期ですので、肉・魚・豆腐を意識して入れていただければ十分です。強い疲れやすさや立ちくらみを感じるようであれば、髪のことだけでなく、婦人科や内科でご相談いただいたほうがよい場合もあります。
「季節のせい」だけで、困るほど抜ける方はほとんどいません
正直にお伝えします。抜け毛が増えたとご相談に来られた方に、「季節のせいですから様子を見ましょう」とお伝えすることは、ほとんどありません。
理由は2つあります。ひとつは、純粋に季節だけで、ご本人が困るほど抜けることは実際にはまれだからです。わざわざクリニックを探して来られるほど抜けているのなら、それは季節の範囲を超えていることが多いのです。
もうひとつは、そこまで抜けている場合、背景にFAGAがあることがほとんどだからです。季節はきっかけを与えているだけで、実際に進行させているのは別の要因、というのが診察での実感です。
ですから私が見ているのは、抜け毛の本数ではありません。女性の薄毛に特有の場所——分け目と頭頂部——が進んでいるかどうかです。ここが進んでいれば、季節に関係なく治療を考える段階だとお伝えします。
これはやむを得ないことなのですが、多くの方は、ご自身の知識の範囲で薄毛を「季節のせい」「ストレスのせい」に当てはめてしまいます。そう考えたほうが安心できるからです。ただ、そう思っている間もFAGAは進みます。「毎年この時期に増えるだけ」と何年も思っていた方が、実は少しずつ進んでいた——これは本当によくあることです。
ただし産後だけは別です。産後の抜け毛は多くの方が半年から9ヶ月ごろには戻り始めますので、その時期であればお待ちいただくことがあります。1年を過ぎても戻らないときは、産後ではない理由を考えます。
季節のせいか、FAGAか。見きわめるときに見ているところ
| 見ているところ | 季節性・乾燥によるもの | FAGAが疑われるとき |
|---|---|---|
| 冬になってからの変化 | 秋より減ってきた実感がある | 年が明けても変わらない |
| 分け目の地肌 | 抜け毛が落ち着けば元の見え方に戻る | 広がったまま戻らない |
| 抜けた毛の質 | 太さも長さも普通の毛が中心 | 細く短い毛が増える |
| フケ・かゆみ | 保湿と洗い方の見直しで落ち着く | 頭皮の状態とは関係なく毛が細くなっていく |
ご自身で確かめるときは、いまの分け目を写真に残しておくのがおすすめです。同じ場所、同じ明るさで、1ヶ月後にもう一度撮って見比べてみてください。記憶だけで比べると、不安な気持ちのぶんだけ悪く見えてしまいます。髪全体が均等に薄くなっていく場合は、びまん性脱毛症という状態のこともありますので、びまん性脱毛症の記事もご覧ください。
こんなときは、一度ご相談ください
年が明けても抜け毛が減った実感がないとき。分け目や頭頂部の地肌が、抜け毛が落ち着いたあとも元に戻らないとき。抜けた毛に細く短いものが増えてきたとき。保湿と洗い方を見直してもフケやかゆみが続くとき。そして、毎年秋に不安になって冬に忘れる、を何年か繰り返しているときです。
当院では、まずお話をゆっくり伺い、マイクロスコープで頭皮の状態を見せていただいたうえで、乾燥による一時的なものなのか、FAGAなのかをご説明しています。検査や他科の受診が先だと判断した場合は、正直にそうお伝えします。カウンセリングは無料で、その日のうちにお決めいただく必要はありません。お話を聞いて帰られるだけでも構いません。治療を考え始めたときの流れはFAGA治療の始め方の記事にまとめています。
カウンセリングから診察まで完全個室・完全予約制で、待合室で他の患者様と顔を合わせることはありません。院長が最初から最後まで担当しますので、次にお越しになったときも、前回どんなことを気にされていたかを覚えている医師がそのまま診ます。
よくあるご質問
冬の抜け毛は、何本くらいまでが普通なのでしょうか?
健康な方でも1日に50本から100本の抜け毛は正常の範囲で、これは季節を問わず変わりません。冬だから何本まで、という決まった数字はありません。本数より、抜けた毛の太さと長さ、そして分け目の見え方の変化を見ていただくほうが確かです。
静電気で髪が傷むと、抜け毛も増えますか?
静電気そのものが毛根に影響することはありません。ただ、乾燥して絡まった髪を無理にとかすと切れ毛が増え、それを抜け毛と感じられることがあります。抜けた毛の根元に白い部分があるかどうかを見てください。ないようなら切れ毛です。
フケが増えたのですが、抜け毛と関係がありますか?
関係することがあります。乾燥でフケが出て、かゆくて掻いて、頭皮が荒れてまたフケが出る。この繰り返しは頭皮の環境を悪くします。まずは保湿と洗い方の見直しから始めてください。それでも続くようなら、脂漏性皮膚炎など別の原因のこともありますので、一度診せていただければと思います。
冬に治療を始めても大丈夫でしょうか?
問題ありません。治療の効果を感じられるまでにはおおむね4〜6ヶ月かかりますので、冬に始めていただくと、次の秋を迎えるころには変化がわかる時期に入っています。抜け毛がいちばん不安になる季節を、手を打った状態で迎えられるということです。
妊娠中・授乳中でも治療はできますか?
薄毛の治療に使うお薬には、妊娠中・授乳中には使えないものがあります。産後の抜け毛は多くの場合、半年から1年で自然に落ち着いていきますので、授乳を終えられてからのご相談で間に合うことがほとんどです。それまでのあいだも、ご心配なことがあれば無料でご相談いただけますので、一人で抱え込まずにお声がけください。
まとめ
冬は抜け毛の本数としては落ち着いてくる季節で、「冬だから何本まで」という決まった数字はありません。気をつけたいのは乾燥と冷えによる頭皮の環境の乱れのほうです。室内の湿度を保ち、熱すぎないお湯で洗い、根元まで乾かしてから眠る。湯船で体を温める。これで十分です。
そしてこの季節のいちばんの意味は、秋の抜け毛が本当に季節性だったのかどうかを確かめられることです。年が明けても減った実感がないのであれば、季節以外の理由を考える時期に入っています。
毎年秋に不安になって冬に忘れる、を繰り返すうちに数年が過ぎてしまう方は少なくありません。確かめるためだけにお越しいただいて構いませんので、この冬のうちに一度はっきりさせておかれることをおすすめします。


