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監修医師 清水崇裕
この記事の監修: 清水 崇裕(医師・医学博士・放射線科専門医/ベアAGAクリニック院長)
日本テレビ「DayDay.」「news every.」、フジテレビ「Live News イット!」ほか出演・取材協力

「夏になってから、シャンプーのたびに抜け毛がすごい」
「排水口にたまった髪の量を見て、このまま薄毛になったらどうしようと不安になった」

結論
夏に抜け毛が増えるのには、はっきりした理由があります。紫外線、汗と皮脂、冷房による乾燥と冷え、そして夏バテによる栄養と睡眠の不足が重なる季節だからです。多くは一時的なもので、生活を整えれば落ち着いていきます。ただ、知っておいていただきたいことがひとつあります。抜け毛の本番は、じつは秋です。夏に受けたダメージは数ヶ月遅れて表れるため、9月から11月にもう一段増えたように感じる方が少なくありません。先に知っておけば、慌てずにすみます。

この記事では、夏に抜け毛が増える理由、女性ならではの負担、今日からできること、そして「季節のせい」で済ませてよいかどうかの見きわめ方まで、新宿で女性の薄毛治療を行う医師がご説明します。

夏に抜け毛が増える4つの理由

夏の抜け毛は、ひとつの原因で起きているわけではありません。頭皮に負担のかかることが同じ時期に重なるため、結果として抜け毛が増えます。

原因 髪と頭皮に起きていること
紫外線 頭皮は顔の2〜3倍の紫外線を浴びるとも言われる場所です。日焼けした頭皮は乾燥し、髪のキューティクルも傷みます
汗と皮脂 毛穴のまわりの環境が乱れ、かゆみやべたつき、炎症につながります。放置すると抜け毛を後押しします
冷房による乾燥と冷え 長時間の冷房で頭皮が乾き、体が冷えると血のめぐりも落ちます。夏こそ冷えている方が多い季節です
夏バテによる栄養と睡眠の不足 食欲が落ちてタンパク質・鉄・亜鉛が不足し、寝苦しさで睡眠も浅くなります。髪の材料と回復の時間が同時に削られます

どれも、それだけで薄毛になるようなものではありません。ただ4つが重なると、髪を育てる力は確実に落ちます。抜け毛の原因をもっと広く知りたい方は、女性の抜け毛の原因をまとめた記事もあわせてご覧ください。

女性の夏は、髪そのものへの負担も増えます

ここまでは男女に共通する話ですが、女性の場合、夏はもうひとつ負担が加わります。髪そのものへのダメージです。

暑いあいだ、髪をずっと結んでいらっしゃる方は多いと思います。ただ、同じ位置できつく結び続けると、その部分の毛根に負担がかかり続けます。長く続くと牽引性脱毛症につながることもありますので、結び目の高さや分け目の位置を時々変えていただくだけでも違ってきます。詳しくは牽引性脱毛症の記事でお話ししています。

夏に向けてカラーやパーマ、縮毛矯正を重ねた髪も、秋に向けて傷みが目立ってきます。そして意外と多いのが、顔には毎日日焼け止めを塗っていても、分け目の頭皮には何もしていないという方です。分け目は髪に守られていない、いちばん日差しの当たる場所です。海やプールに行かれた日は、塩分や塩素をその日のうちに洗い流してください。

本当に増えるのは、じつは秋です

あまり知られていませんが、抜け毛には季節のリズムがあり、1年でもっとも増えやすいのは秋です。夏に受けた頭皮のダメージや生活リズムの乱れは、その日のうちに抜け毛になるわけではありません。髪の生え変わりの周期を一巡してから、数ヶ月遅れて表面化してきます。

つまり、いま夏の抜け毛が気になっている方は、9月から11月にかけてもう一段増えたように感じる可能性があります。これを知らずに秋を迎えると、「夏よりひどくなった、もうだめかもしれない」と必要以上に不安になってしまいます。先に知っておくだけで、ずいぶん落ち着いて過ごせます。

季節性の抜け毛は一時的なもので、多くは1〜2ヶ月ほどで落ち着いていきます。そしていまから頭皮と生活を整えておくことが、そのまま秋のダメージを小さくする準備になります。秋のピークについては秋の抜け毛が増える理由といつまで続くのかの記事に、四季それぞれの傾向は季節の変わり目と抜け毛の記事にまとめています。

この夏、していただきたいこと

難しいことは必要ありません。まず頭皮の日焼け対策です。帽子や日傘が基本ですが、分け目を時々変えるだけでも、同じ場所に直撃し続けるのを避けられます。

汗をかいた日は、その日のうちに洗い流してください。ただし洗いすぎは逆効果です。1日に2回以上洗うと必要な皮脂まで落ちて乾燥しますので、夜に一度、指の腹で頭皮そのものをていねいに洗い、泡が残らないところまで流していただければ十分です。洗ったあとは自然乾燥にせず、根元から乾かしてからお休みください。濡れたまま眠るのは、頭皮にとっていちばん負担の大きい過ごし方です。

食事は、麺類だけで済ませる日を減らすこと。暑いとそうめんや冷やし中華で済ませたくなりますが、それが続くと髪の材料になるタンパク質・鉄・亜鉛が足りなくなります。冷しゃぶ、豆腐、卵、しらすなど、火を使わずに足せるものを一品加えるだけでも変わります。とくに鉄は月経のある女性で不足しやすい栄養素ですので、強い疲れやすさや立ちくらみを感じるようであれば、髪のことだけでなく婦人科や内科でご相談いただいたほうがよい場合もあります。

最後に湯船と睡眠です。冷房で冷えた体は、シャワーだけではなかなか温まりません。ぬるめのお湯に浸かって血のめぐりを戻し、寝る前のスマートフォンを少し減らして、眠りの質を守ってください。地味ですが、髪にはこれがいちばん効きます。

「季節のせい」だけで、困るほど抜ける方はほとんどいません

正直にお伝えします。抜け毛が増えたとご相談に来られた方に、「季節のせいですから様子を見ましょう」とお伝えすることは、ほとんどありません。

理由は2つあります。ひとつは、純粋に季節だけで、ご本人が困るほど抜けることは実際にはまれだからです。わざわざクリニックを探して来られるほど抜けているのなら、それは季節の範囲を超えていることが多いのです。

もうひとつは、そこまで抜けている場合、背景にFAGAがあることがほとんどだからです。季節はきっかけを与えているだけで、実際に進行させているのは別の要因、というのが診察での実感です。

ですから私が見ているのは、抜け毛の本数ではありません。女性の薄毛に特有の場所——分け目と頭頂部——が進んでいるかどうかです。ここが進んでいれば、季節に関係なく治療を考える段階だとお伝えします。

これはやむを得ないことなのですが、多くの方は、ご自身の知識の範囲で薄毛を「季節のせい」「ストレスのせい」に当てはめてしまいます。そう考えたほうが安心できるからです。ただ、そう思っている間もFAGAは進みます。「毎年この時期に増えるだけ」と何年も思っていた方が、実は少しずつ進んでいた——これは本当によくあることです。

ただし産後だけは別です。産後の抜け毛は多くの方が半年から9ヶ月ごろには戻り始めますので、その時期であればお待ちいただくことがあります。1年を過ぎても戻らないときは、産後ではない理由を考えます。

季節のせいか、FAGAか。見きわめるときに見ているところ

季節性の抜け毛と、進行する薄毛(FAGA)では、抜け方のパターンが違います。診察のときに私が見ているのは、次のようなところです。

見ているところ 季節性の抜け毛 FAGAが疑われるとき
抜け方 頭全体からまんべんなく抜ける 分け目や頭頂部が透けて見えるようになる
抜けた毛の質 太さも長さも普通の毛が中心 細く短い毛が増える(育ちきる前に抜けている)
経過 1〜2ヶ月で自然に落ち着く 季節が変わっても減り続け、ボリュームが戻らない

右側に心当たりがある場合は、季節を理由にせず一度確かめておかれると安心です。ご自身で見るときは、いまの分け目を写真に残しておくのがおすすめです。同じ場所、同じ明るさで、1ヶ月後にもう一度撮って見比べてみてください。記憶だけで比べると、不安な気持ちのぶんだけ悪く見えてしまいます。急に抜け毛が増えたと感じている方は、抜け毛が急に増えたときに考えられる原因の記事もご覧ください。

こんなときは、一度ご相談ください

秋が終わって12月に入っても抜け毛が明らかに多いままのとき。分け目や生え際の地肌が、以前より目立つようになったとき。抜けた毛に細く短いものが増えてきたとき。そして、抜け毛に加えてだるさや立ちくらみ、月経の変化があるときです。最後のものは、貧血や婦人科の病気が背景にあることもありますので、婦人科の病気と抜け毛の記事もあわせてご確認ください。

当院では、まずお話をゆっくり伺い、マイクロスコープで頭皮の状態を見せていただいたうえで、季節性なのか、FAGAなのか、それとも別の原因があるのかをご説明しています。検査や他科の受診が先だと判断した場合は、正直にそうお伝えします。カウンセリングは無料で、その日のうちにお決めいただく必要はありません。お話を聞いて帰られるだけでも構いません。どの科を受診すればよいか迷われている方は薄毛は何科に行くべきかの記事をご覧ください。

カウンセリングから診察まで完全個室・完全予約制で、待合室で他の患者様と顔を合わせることはありません。院長が最初から最後まで担当しますので、次にお越しになったときも、前回どんなことを気にされていたかを覚えている医師がそのまま診ます。

よくあるご質問

1日に何本くらい抜けたら多いのでしょうか?
健康な方でも1日に50本から100本は自然に抜けます。季節の変わり目はこれより増えることもめずらしくありませんので、本数だけで判断するのは難しいところです。それよりも、細く短い毛が増えていないか、地肌が見えるようになっていないかという質の変化のほうが大事なサインです。

頭皮が日焼けすると薄毛になりますか?
日焼けそのものがFAGAを引き起こすわけではありません。ただ、頭皮の炎症や乾燥は抜け毛を増やす要因になります。ひどく日焼けして皮がむけたり痛みがあったりする場合は、まず皮膚科で処置を受けてください。

夏はシャンプーを1日2回してもよいですか?
汗をかいた日に流したくなるお気持ちはよくわかりますが、洗浄剤を使うのは夜の1回にしていただくのがおすすめです。日中に汗を流したいときは、お湯だけで軽くすすいでいただければ十分です。2回以上洗うと必要な皮脂まで落ちて、かえって乾燥します。

髪を結んでいると薄くなりますか?
結ぶこと自体が悪いわけではありませんが、同じ位置できつく結び続けると、その部分に負担がかかり続けます。生え際やこめかみが気になってきた方は、結び目の高さと分け目を時々変えてみてください。

妊娠中・授乳中でも治療はできますか?
薄毛の治療に使うお薬には、妊娠中・授乳中には使えないものがあります。産後の抜け毛は多くの場合、半年から1年で自然に落ち着いていきますので、授乳を終えられてからのご相談で間に合うことがほとんどです。それまでのあいだも、ご心配なことがあれば無料でご相談いただけますので、一人で抱え込まずにお声がけください。

まとめ

夏の抜け毛は、紫外線、汗と皮脂、冷房による乾燥と冷え、夏バテによる栄養と睡眠の不足が重なって起こります。女性の場合はここに、まとめ髪やカラーによる髪そのものへの負担も加わります。どれも一つひとつは小さなことですが、重なると髪を育てる力は落ちます。

そして、抜け毛の本番は秋です。いまから頭皮と生活を整えておくことが、そのまま秋への備えになります。季節性の抜け毛であれば1〜2ヶ月で落ち着きますので、必要以上に怖がることはありません。

気をつけていただきたいのは、分け目が透けてきた、細く短い毛が増えた、季節が変わっても戻らない、という3つです。ひとつでも当てはまるようでしたら、確かめるためだけにお越しいただいて構いません。治療を始めるかどうかは、そのあとで決めていただければ十分です。治療を考え始めたときの流れはFAGA治療の始め方の記事に、クリニック選びで迷われている方は女性の薄毛クリニックの選び方の記事にまとめています。

BEA AGA CLINIC 院長 清水崇裕
この記事の監修医師
清水 崇裕
BEA AGA CLINIC 院長/医師・医学博士・放射線科専門医
メディア出演日本テレビ「DayDay.」「news every.」、フジテレビ「Live News イット!」ほか出演・取材協力
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